あーちゃん、プロローグ
担当の医師は、
なんの配慮もなくこう言い放った。
「知的障害ですね。
精神遅滞というやつです」
「努力しても、
彼女なりの成長曲線ですから、
他の子には到底追いつくことはない。
でも軽度なんで、
コンビニの店員くらいにはなれますよ」
何を聞いても、
しっかり頭に入ってこない。
本当に我が子の話なんだろうか…
どんな親だって、
産まれてきた子に夢を描いたりする。
この子には未来がある。
明るい未来を描きたかった。
嘘でもいいから、
がんばればみんなに追いつくとか、
言って欲しかった。
診察室を出て一階に降り、
担当のソーシャルワーカーの方に
診断結果を報告する。
自分の言葉で話すと、
だんだん現実味が湧いてくる。
気がついたら、
涙が出てぽろぽろこぼれ落ちていた。
ここから、私とあーちゃんの
発達障害への旅が始まる。